コミュニケーション能力アピールの落とし穴

 

勘違いコミュニケーションスキル

コミュニケーションスキル、というと話し上手、というのが思いつきますが、実はコミュニケーションスキル=話す力ではありません

面接の場などで、イベントの司会をやってきたことや、人前で話すのが得意です、とアピールする学生さんが多いのですが、コミュニケーションスキルには、もう一つの側面として、「聞く力」があります。

この「話す力」と「聞く力」の両方を合わせてコミュニケーションスキルになります。

話すスキルだけでは一方通行になってしまうので、コミュニケーションスキルがある、とは言えず、聞き上手な人にこそコミュニケーションスキルが高い人が多いです。

そもそもコミュニケーションは相手との対話が必須になるので、相手の話を聞いて、それに対して応答し、お互いの意思疎通を図るスキルと言えますね。

 

会社が求めるコミュニケーション能力

会社が求めるコミュニケーション能力は、というとまた少し意味が変わってきます。

「聞く力」については、単に話を聞くだけではなく、顧客の意図や背景にある問題を推察する能力も必要になります。

また、「話す力」については、聞いた内容を正しく推察した結果を言葉にする力、そこから問題解決に導く会話力を指します。

具体的には、相手が何を問題としているのかを簡潔にまとめ、それに対する自分の推察と解決策を言葉にしてわかりやすく相手に伝える、という力になります。

そのため、話し上手であるだけではNGですし、分け隔てなく人と仲良くすることでも、ボキャブラリーが豊富でスピーチ力があることでもないのです。

では、どのようにコミュニケーション能力をアピールしたらよいのでしょうか。

下記にアピール例を2つ列挙しましたので、参考になれば幸いです。

 

アピール例その①

(新卒)

大学の時、野球サークルのリーダーを担当していたのですが、運動部との場所取り問題が多発しており、サークル長としてこれの解決に取り組み、和解に至りました。

各部の部長都の話し合いの場を設け、それぞれの要望や背景をヒアリングすることで、試合が近いときは利用時間を普段の2倍としたいが時間は厭わないことや、曜日と時間が固定できれば良いことなどが見えてきました。

そのため、一つの部には早朝や夜の時間で通常の2倍の時間で利用することを提示し、もう一つの部には少し利用時間は短くなるものの、固定曜日・時間での利用を提案しました。

また、予定の入れ替えが発生する都度、連絡が取れるように部長同士のライングループを作り、臨機応変に対応できるようにしたことで、場所取りに割く時間を無くし、無駄な揉め事を無くすことができました。

 

アピール例その②

(転職)

前職では5名程度のグループにて、プロジェクトリーダーを担当していましたが、障害が頻発しており、障害の発生原因・背景・解決策を考える場を設けるようにしました。

各メンバーへのヒアリングを実施していく中で、納期間近の仕様変更が多いことや、顧客からメンバーへ直接依頼が来ることが判明したため、2つの施策を実施しました。

1つはスケジュールの早い段階で仕様変更の締め切りを提示し、それを過ぎての仕様変更は都度再見積もりとスケジュールの引き延ばしを実施しました。

もう1つは問い合わせ窓口をリーダーである自分が担うことで、メンバーへの負荷が減り、メンバーが開発に集中することができるようになりました。

結果、障害件数が年間2桁だったものが1~2本程度まで減少しました。

 

ここを見ている!面接官のチェックポイント

面接官がコミュニケーション能力の有無を判断する際、チェックしているポイントは、
「質問に正しく答えているか」「こちらの話を聞いているか」です。

面接官の質問を正しく理解し、それに対して簡潔に答えられているか、や相槌や表情など聴く姿勢をチェックしています。

コミュニケーション能力をアピールしたいなら、これらのことを意識して面接の臨むと良いでしょう。